脳の寄生虫が引き起こす珍しい症例、9例を確認 米ハワイ
(CNN) ハワイのマウイ島とハワイ島でこの3カ月の間に、脳の寄生虫が引き起こす広東住血線虫症の症例が9例確認されたことが12日までに分かった。ハワイ州衛生局が明らかにした。これまでのところ死者は報告されていない。
広東住血線虫症は、脳や脊髄(せきずい)の寄生虫が引き起こす疾患で、ほかにも感染が疑われる症例がマウイ島で3例、ハワイ島で1例見つかっているという。
マウイ島で感染が確認された6人のうち、4人は住民、残る2人は訪問者。ハワイ島の3人は住民だった。
ハワイ州では通常、年間1~9人の広東住血線虫症の症例が報告され、2007年以来、2人が死亡している。
それぞれの患者の感染経路は不明だが、同症は生あるいは十分火を通さないカタツムリやナメクジの摂取を通じて感染することが分かっている。レタスなどの生野菜をよく洗わず、ナメクジなどが付いていることに気付かないまま食べてしまう場合がほとんどだという。
カニやエビ、カエルなどの摂取を通じて感染することもあるが、症例は少ない。極めて稀(まれ)に、水を通じて感染することもある。人から人へ感染することはない。
感染すると、大人の場合は頭痛などの症状が、子どもの場合は吐き気や嘔吐(おうと)などの症状が出ることが多く、2週間~2カ月ほど症状が続く。
大抵は自然に収まるが、悪化すると髄膜(ずいまく)炎を起こしたり、寄生虫が目に移動して除去手術が必要になることもあり、稀に昏睡(こんすい)状態に陥って死亡することもある。