クシュナー氏、政権発足前にロシア側に秘密回線開設を提案か　米紙

ワシントン（ＣＮＮ） 米紙ワシントン・ポストは２６日、トランプ米大統領の娘婿のクシュナー上級顧問が昨年１２月、トランプ氏の政権移行チームとクレムリン（ロシア大統領府）との間に秘密の通信ルートを設ける案をキスリャク駐米ロシア大使と協議していた可能性があると報じた。諜報（ちょうほう）関連の報告書を知る複数の米当局者の話として伝えた。

報道は、キスリャク氏とロシア政府との間の会話を傍受した内容に基づくもの。

ポスト紙によれば、キスリャク氏はロシア政府高官に対し、米ニューヨークのトランプタワーで昨年１２月に行われた会談でクシュナー氏がこの提案を示したと報告。会談には今年２月に辞任したフリン前大統領補佐官（国家安全保障担当）も参加していた。クシュナー氏は米国内にあるロシアの外交施設を通信に利用することを提案したという。

米紙ニューヨーク・タイムズは２６日、この協議に詳しい３人の話として、シリア情勢などの安全保障問題を話し合うため、フリン氏がロシア政府の軍高官と直接協議できるようにするのが狙いだったと伝えた。

ただポスト紙の記者は、ロシア側が会談で起こったことを意図的に誇張していた可能性もあると指摘。「キスリャク氏の報告は正確だと評判だ」が、「米国の敵対勢力は日常的に、通信内容に偽の情報を紛れ込ませる。その通信ルートに米国人がいるか見極める目的で行っている」とＣＮＮに明かした。

ＣＮＮはポスト紙の報道内容を確認できてない。

ただ、情報筋によれば、クシュナー氏はキスリャク氏やロシア政府系銀行のゴルコフ頭取と会談し、プーチン氏との「裏のチャンネル」を確立しようと模索していた。また捜査関係者によれば、ロシアによる米大統領選介入疑惑の捜査に絡み、米連邦捜査局（ＦＢＩ）がトランプ政権内でのクシュナー氏の様々な役割を調べている。