氷水かぶり発案の男性、ALS療養費かさみ苦境に

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自らも氷水かぶりに挑戦するピート・フレーツさん

自らも氷水かぶりに挑戦するピート・フレーツさん

(CNN) 氷水を頭からかぶって筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者の支援を訴える「アイス・バケツ・チャレンジ」のアイデアを発案した患者の男性が、療養費の重い負担のため金銭的苦境に立たされている。

野球選手だったピート・フレーツさんは2012年にALSを発症し、今は生命維持装置を装着されて自宅のベッドに横たわる。家族によると、毎月の療養費は8万5000~9万5000ドル(約950万~1060万円)にも上る。

氷水かぶりのアイデアは14年に思いつき、まず数人の友人が実行に移した。頭から氷水をかぶって友人を指名し、同じことをするか、ALS協会に寄付をするかの選択を促す内容。

この運動は有名人も賛同して想像以上の広がりを見せ、同年の夏には1700万人以上が氷水をかぶった。ALS協会に集まった寄付は1億1500万ドル以上。同協会は昨年、この寄付に助けられ、原因となる遺伝子を突き止めることができたと発表した。

現時点で米食品医薬品局(FDA)が承認したALSの治療薬は1種類のみ。それも生存期間を数カ月延ばすにすぎない。しかしFDAは5月に入り、約20年ぶりにALS治療の新薬を承認した。米国では8月に発売される。

フレーツさんの闘病の意思を支えるのは、妻と2歳の娘の存在だ。1日3000ドル(約33万円)のコストがかかっても、施設に移すことは考えられないと妻は言い、「そんなことをすれば夫の命は尽きてしまう」と訴える。

フレーツさん一家は自宅療養患者を支えるために、慈善家のロブ・グリフィンさんと組んで、ALS協会を通じて新財団を設立。最初の目標は100万ドルに設定した。6月5日にはフレーツさんの名で募金運動が行われる。

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