トランプ氏長男ら、選挙期間中にロシア弁護士と会合
(CNN) トランプ米大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏らが大統領選の数カ月前、ロシア人弁護士との会合に出席していたことが10日までに分かった。選挙期間中にトランプ陣営幹部がロシア側と接触した最初の機会だったとされる。
会合については米紙ニューヨーク・タイムズが最初に報じ、トランプ・ジュニア氏がCNNへの談話で認めた。
同紙によると、トランプの共和党大統領候補指名が確定してから2週間後の昨年6月9日、トランプ・ジュニア氏とトランプ氏の娘婿ジャレッド・クシュナー氏、当時トランプ陣営の選対本部長だったポール・マナフォート氏が、ニューヨークのトランプ・タワーでロシア人弁護士との会合に出た。
トランプ・ジュニア氏はCNNに「短時間の顔合わせだった」「ロシアの子どもたちを米国人家庭が引き取る養子縁組制度について主に議論した。選挙戦の話ではない」と説明した。
米ロ間では当時、米国がロシアの人権侵害に対してビザ制限や資産凍結などの制裁措置を取ったことに対抗し、ロシア政府が米国人家庭との養子縁組を禁止。同制度が廃止に追い込まれていた。トランプ・ジュニア氏らの会合の相手は、米国側の制裁撤回やロシア側の禁止解除を目指す団体を設立した弁護士だった。
クシュナー氏は大統領上級顧問への就任にあたり、選挙期間中から政権移行期にかけて直接会ったり、電話で話したりした外国政府関係者のリストを提出。念のため、ロシア人弁護士との会合も記載していたという。
このロシア人弁護士は同紙の取材に対し、「会合で大統領選の話は一切出なかった」「ロシア政府の代表者として動いたことはないし、こうした問題について政府関係者と話したこともない」と主張している。