就任から半年、数字で振り返るトランプ米大統領
(CNN) 米国のドナルド・トランプ大統領は7月20日に就任から半年を迎えた。
企業経営者であり、リアリティー番組の人気者だった立場から、米軍の最高司令官へと転身したトランプ氏にとって起伏にとんだ船出となった。政敵や報道陣と衝突し、オバマケア(医療保険制度改革)の撤廃あるいは置き換えには失敗。米大統領選へのロシア介入疑惑は尾を引き続けている。
一方、トランプ大統領は、共和党保守派の基盤もあり、連邦最高裁判事の指名ではニール・ゴーサッチ氏の就任という大きな成功を収めた。当初は混乱もあったものの、共和党は大統領に忠誠を誓っている。主要メディアに対するやむことのない攻撃については、多くの人が喜んでいる。しかし、残り半年も大きな政策的成功がないとなると、そうした忠誠心にとっては試練となるかもしれない。
ここからは、トランプ大統領の半年間を数字とともに振り返ろう。
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支持しているのは誰か
トランプ大統領の支持率は過去最低の水準にまで落ち込んでいる。ワシントン・ポスト紙とABCの最近の調査によれば、支持率は36%。ABCによれば、過去70年間の大統領の最初の半年としては最低の水準だという。
ブルームバーグの調べでも支持率は40%。モンマス大学の調査では39%だった。
しかし、ホワイトハウスにとって悪い話ばかりではない。ウォールストリート・ジャーナル紙とNBCによる世論調査によれば、2016年の大統領選で勝利した郡ではトランプ大統領の支持率は50%を維持している。
選挙集会か記者会見か
トランプ氏は大統領選の予備選では、定期的に記者会見を行うだけではなく、生放送で、カメラの前で、記者団からの質問を受け付けた。しかし、大統領に就任してからは事情が変わったようだ。1月20日の大統領就任以降、トランプ氏は1回しか記者会見を開いていない。
大統領関連の情報をまとめている超党派の非営利組織(NPO)であるAPPによれば、過去の大統領と比べるとトランプ氏の記者会見のペースはかなり少ないという。オバマ前大統領が1年目に行った記者会見の数は11回。ジョージ・W・ブッシュ氏は5回、ビル・クリントン氏は12回となっている。
ただ、支持者への呼びかけには、ためらいは少ないようだ。大統領就任後、トランプ氏は、選挙戦スタイルの集会を5回行っている。フロリダ、テネシー、ケンタッキー、ペンシルベニア、アイオワの各州で開催しており、いずれも2016年の大統領選で勝利した場所だ。
何本の法案に署名したのか
トランプ大統領はこれまで、数十本の大統領令や大統領告示に署名している。ほかよりうまくいったものもある。最初の入国禁止令は混乱を引き起こし、たび重なる異議申し立てにより、実質的に施行されなかった。しかし、新入国禁止令は、やはり異議申し立てが続いたが、最終的には、最高裁により部分的な執行が認められた。
トランプ大統領が署名した法案は42本。しかし、税制改革やオバマケアの廃止・置き換えといった重要法案については、1本も成立していない。
米国が離脱した国際協定
トランプ大統領は、選挙戦での公約を守り、オバマ前政権が支持してきた2つの国際協定から離脱した。