米下院議長、「壁」建設予算で大統領牽制 政府機関閉鎖に異議
(CNN) 米議会がメキシコとの国境の壁の建設予算を承認しなかった場合には政府機関の閉鎖も辞さない意向をトランプ米大統領が示した問題で、ライアン米下院議長は23日、閉鎖に否定的な見解を示した。
オレゴン州で記者会見したライアン議長は「政府機関の閉鎖が必要だとは思わないし、私たちを含む多くの人も政府機関の閉鎖を見たくはないと思う」と述べた。
またライアン議長は、政府機関の閉鎖を防ぐためつなぎ予算が必要になるだろうとの見通しを述べた。
トランプ大統領は22日にフェニックスで行った遊説で、壁の建設予算を断固として求める考えを表明。「たとえ政府機関を閉鎖しなければならないとしても、あの壁は建設する」と強調した。
民主党のシューマー上院院内総務も、国境問題を巡る政府機関閉鎖には反対の姿勢を示している。
シューマー氏は声明で「もし大統領が共和・民主両党そして米国民の過半数の願いに反してこの道を突き進むなら、たどり着く先は政府機関の閉鎖ということになるだろう。だれにとっても好ましくない上に、何の成果も残らない」と述べた。
トランプ大統領は民主党と同様の激しさで議会共和党とも対立している。このように先鋭化した目下の政治状況では、政府機関の閉鎖を回避できるかどうかは予断を許さない。ただ議会共和党幹部は政治的なダメージの大きい政府機関の閉鎖は避けたい意向を明らかにしている。