4カ国、トランプ氏娘婿の懐柔策探る 米紙報道
ワシントン(CNN) 米紙ワシントン・ポストは3日までに、少なくとも4カ国の政府関係者がトランプ米大統領の娘婿であるクシュナー大統領上級顧問を自国の主張に有利な政策などに導く方途を探っていたと報じた。
この問題の関連情報に通じる現役と前職の米政府当局者の話などとして伝えた。4カ国はメキシコ、イスラエル、中国にアラブ首長国連邦(UAE)。
4カ国には、入り組んだ事業権益を持ち、政治経験が乏しく、財務面で苦境を抱える上級顧問につけ込もうとした意図があったとしている。ただ、4カ国がクシュナー氏懐柔を図るための方針に基づいて実際の行動に踏み切ったのかは不明としている。
前政権当局者の1人はポスト紙に、複数の政権高官はクシュナー氏の「世間知らずや外国に欺される恐れ」を憂慮していたと明かした。同氏は先月27日、ポスト紙の記事に関するCNNによる再三のコメントの求めを拒んでいた。
ポスト紙によると、ホワイトハウスのマクマスター国家安全保障担当大統領補佐官は昨年の春、外国指導者とトランプ政権幹部との間の会話などに関する全ての情報提出を部下に指示。クシュナー氏が国家安全保障会議と調整することなく外国政府当局者と接触していたことが動機となっていた。
CNNは先月27日、クシュナー上級顧問が最高機密情報を取り扱う資格を失った、と報道。ケリー首席補佐官による、機密情報の処理に関するセキュリティークリアランス(秘密取扱者の適格性の確認制度)を修正したことを受けたものだった。クシュナー氏はそれまで暫定資格を得ていた。
クシュナー氏はホワイトハウス入りする前、実家の不動産・開発企業の最高経営責任者(CEO)を務めていた。