通報したオーストラリア人女性射殺、警官を殺人罪で起訴 米
(CNN) 米ミネソタ州ミネアポリスで昨年、性的暴行事件の疑いを警察に通報したオーストラリア人女性が出動した警官に射殺された事件で、地元当局は20日、この警官を殺人と過失致死の罪で起訴した。
オーストラリア出身でミネアポリスに住んでいたジャスティーン・ルースチェックさんは昨年7月、深夜に、自宅近くの路上で性的暴行事件が起きているかもしれないと警察に電話した。
これを受けて、モハメド・ヌーア被告ら警官2人が現場へ出動した。警察車両が到着した直後、運転席の窓に近付いたルースチェックさんに対してヌーア被告が窓越しに発砲し、ルースチェックさんはその場で死亡した。車両を運転していた警官は、ルースチェックさんが近づいてくる直前に大きな音がして驚いたと話しているという。
地元検察は20日午後の記者会見で「銃の使用を正当化するような脅威を被告が認識、捜査、確認した証拠はない」と述べた。
これに対して弁護側は、被告の行動が警察のルールに沿っていたと主張している。
被告ともう1人の警官は出動時にカメラを装着していたものの、スイッチを入れていなかった。車載カメラは作動していたが、発砲の場面は映っていなかった。
この事件は米国とオーストラリアの両国で波紋を呼び、市警察の責任者が辞任に追い込まれている。警察責任者はヌーア被告が20日付で職を退いたと述べたが、解雇処分かどうかは明言しなかった。