中国の狙いは「米国に代わる超大国」 米CIA高官が見解
コロラド州アスペン(CNN) 世界各国で影響力の拡大を図る中国の狙いは、米国に取って代わって世界を主導する超大国となることにある――。米中央情報局(CIA)の高官がこのほど行った講演で、そんな見解を明らかにした。
CIA高官のマイケル・コリンズ氏は米コロラド州アスペンで20日に行われた安全保障フォーラムで中国の台頭について講演し、中国の習近平(シーチンピン)政権が米国に対して「冷戦」を仕掛けていると主張した。
「彼ら自身の発言や習主席の言動から判断すると、彼らは我々に対して冷戦を仕掛けている。だが我々が経験したかつての冷戦とは異なる、実質的な冷戦だ。あらゆる手段で正当な影響力と不当な影響力を行使し、公的な力と民間力、経済力と軍事力を行使して、衝突に持ち込むことなく自分の立場に関連したライバルの座を揺るがす国家。中国は衝突を望まない」
コリンズ氏はそう語り、「中国は、いずれ世界中のあらゆる国が、政策課題に関する利益について判断する際に、米国よりも中国に付くことを望んでいる」との見方を示した。
さらに、習主席の見解を見れば、米国が現在直面している世界的課題の中で、中国が投げ掛ける脅威が最も大きいことは明らかだとコリンズ氏は指摘。「中国が我々と我々の守る物に対して仕掛ける競争は、ロシアがどう出るかよりもはるかに重大だ」と語った。
同フォーラムでは、米連邦捜査局(FBI)の高官や国家情報長官などもコリンズ氏と同様に、中国を米国が現在直面している最も重大な危険と位置付けている。
クリストファー・レイFBI長官は18日の講演で、「対諜報(ちょうほう)活動の観点からみると、中国は我が国が直面している最も広大で最も困難かつ最も重大な脅威だと思う」と語った。