マティス米国防長官、辞任表明 トランプ氏との見解の相違認める
ワシントン(CNN) 米国のジェームズ・マティス国防長官が20日、政策の不一致を理由に辞任を表明した。マティス氏は、トランプ大統領が発表したシリアからの米軍撤収に強く反対していた。
マティス氏はトランプ大統領宛ての書簡に、「あなたには、自身に見解の近い国防長官を選ぶ権利がある。従って、私は退任することが正しいと信じる」と記した。
シリアからの米軍撤収について具体的には言及していないものの、同氏はトランプ大統領に対して非公式の場で、撤収に強く反対する意見を伝えていた。
マティス氏は以前から、大統領の性急な決断を思いとどまらせようとする役割を担っていたが、ここ数カ月で大統領との関係が急速に悪化。重要課題に関して大統領に対するマティス氏の影響力は低下していた。
マティス氏の書簡では、同盟国との関係の重要性を強調し、「米国は今も自由世界に欠かせない国家だが、同盟関係を維持し、そうした同盟国に敬意を示さなければ、我々の利益を守ることも、その役割を効率的に果たすこともできない」と指摘した。
米政府高官によると、マティス氏はホワイトハウスでトランプ大統領と1対1で会って辞意を伝えたという。
この高官は、両氏の間で「幾つかの問題について相違があった」としながらも、シリア問題が原因だったとは言明しなかった。
これに先立ちトランプ大統領は、ツイッターでマティス長官が2月末で辞任すると発表していた。トランプ大統領は、マティス長官の在任中は「多大な進展」があったと述べて謝意を表し、後任については間もなく指名するとした。
マティス氏をはじめとする国防当局者は、トランプ大統領が決めたシリアからの撤収に反対していた。