米FDA長官が辞任表明 家族との時間を優先と説明
(CNN) 米食品医薬品局(FDA)のスコット・ゴットリーブ長官が5日、職員への書簡で辞任を表明した。
ゴットリーブ氏は書簡の中で、今後1カ月のうちに辞任する意向を明らかにした。辞任理由としては就任以来2年間、妻や幼い子ども3人と離れて暮らしてきたことを挙げ、「この問題以外に現職を退く理由はあり得ないだろう」と述べた。
事情に詳しい政権当局者によると、ゴットリーブ氏は首都ワシントンで単身赴任生活を送り、妻子が暮らすコネティカット州の自宅との間を毎週行き来している。家族との時間をもっと確保するため、数カ月前から辞任を検討していたという。
ゴットリーブ氏は病院勤務医の経験を持ち、FDA副長官を経て17年5月から現職に就いた。
在任中は記録的な数の治療法や薬品を承認し、麻薬性鎮痛薬による中毒への取り組みや若者の電子たばこ規制を積極的に進めてきた。
FDAを管轄する保健福祉省のアザー長官は5日の声明でゴットリーブ氏の業績を称賛した。同氏を長官に任命したトランプ大統領もツイッターを通し、薬価の引き下げやジェネリック医薬品(後発薬)の承認など幅広い分野での貢献をたたえた。
ゴットリーブ氏はがん経験者や投資家としての顔も持つ。FDAによる規制が技術革新を阻んでいると主張してきた。
昨年4月に従来の麻薬性鎮痛薬の10倍という効果を持つ強力な新薬を承認した際には、公共保健より業界の利益を優先させたとして批判を受けた。