米軍内の性的暴行事件、38%の増加 2018年調査
ワシントン(CNN) 米国防総省は5日までに、米軍4軍内で昨年発生した男女兵士に対する性的暴行事件が約38%の激増を示したとする調査報告書を公表した。
被害者数は推定で2万500人。類似調査が直近で実施された16年には1万4900人だった。報告書は被害の形態について体のまさぐり行為やレイプなどを含めている。
17~24歳層の現役女性兵士の被害の発生率が上昇し、男性兵士の場合は16年調査と比べ目立った変化はなかった。
軍種別に見た場合、海兵隊での発生率が約11%と最も高かった。16年には7%だった。海軍、陸軍と空軍の順序で続いたが、4軍での推定での発生率はいずれも増えていた。
最も悪質な事例のうちの62%は加害者もしくは被害者が飲酒状態の中で発生。被害者の圧倒的な多数が加害者と顔見知りの関係だった。
性的暴行被害を示唆した兵士3人のうちの約1人は被害を軍内の上司に報告していた。この比率は16年調査とほぼ同一だった。司令官などは加害者の兵士の3分の2に懲罰を科せる十分な証拠も得ていたとした。
米軍内での性的暴行事件の発生率は、3万4000人余の兵士が何らかの被害を訴えた2006年以降、全般的には下落基調にあった。ただ、被害者の人数は増減を繰り返していた。
今回の報告書公表に伴いシャナハン国防長官代行は2日、同省内の幹部への書簡で、軍内の性的暴行事件は長年にわたり大きな課題だったとして根絶を目指した追加措置を講じると強調した。
また、国防総省当局者によると、長官代行は1日の下院公聴会で、軍内でのセクハラ行為を刑事罰の対象にする考えも表明した。