トランプ大統領、対イラン追加制裁を発表 ハメネイ師らも対象
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は24日、イランに新たな制裁を科す大統領令に署名したことを明らかにした。同国の最高指導者ハメネイ師らに対する金融制裁が含まれているという。
トランプ氏はホワイトハウスでペンス副大統領、ムニューシン財務長官とともに会見。イランによる米無人機の撃墜など、ここ数週間にわたる「一連の攻撃的行動」に対して制裁を科したと発表し、ハメネイ師はこうした敵対行為の最終的な責任者だと述べた。
ムニューシン氏は、新たな制裁で事実上「数十億ドル(数千億円)規模の資金が凍結される」と語った。また、制裁対象にはハメネイ師やその側近のほか、イラン革命防衛隊の幹部8人が含まれると説明した。
イラン側はこれに強く反発している。現地のCNN記者によると、国営イラン通信(IRNA)は追加制裁措置について、「米国が切羽詰まっている兆候」との見方を示した。
イランのザリフ外相は、ボルトン米大統領補佐官ら対イラン強硬派が米国の利益でなく、戦争を望んでいることがよく分かったとツイートした。同氏はボルトン氏やサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子、アラブ首長国連邦(UAE)のムハンマド・ビン・ザイド皇太子ら、名前に「B」のつく強硬派を「Bチーム」と呼んで非難している。
トランプ氏の発表に先立ち、ロハニ大統領の顧問の1人はツイッターで、「戦争と制裁は同じコインの裏表」と位置付け、同国に交渉を無理強いすることは不可能だと主張していた。
ムニューシン氏は会見で、今週中にザリフ氏を制裁対象に加えるよう、トランプ氏が指示したことも明らかにした。米政府は通常、特定の個人や組織への制裁を予告することを避けてきた。対象者が制裁の影響から逃れようと、事前に対策を講じる恐れがあるためだ。
同氏はザリフ氏に対する制裁の詳細に言及しなかったが、金融制裁に加えて渡航制限も科される可能性がある。ザリフ氏はイラン側の交渉責任者という立場にあり、同氏の米国渡航を禁止することは、「前提条件なしの交渉」に応じると明言したトランプ氏の姿勢に沿わないとも指摘されている。