米軍機とベネズエラ軍機が異常接近、双方が非難応酬
ワシントン(CNN) 米南方軍は21日、カリブ海の公海上空でベネズエラの戦闘機が米海軍機に異常接近し、同機と同機の乗員を危険にさらしたと発表した。
米南方軍の発表によると、この事案が発生したのは19日。ベネズエラが保有するロシア製の戦闘機「SU30フランカー」と、「発見・監視」活動を行う米海軍の「EP3アリエスII」が接近した。
「映像を解析した結果、ロシア製の戦闘機が国際空域において安全ではない距離で長時間にわたってEP3のあとをつけ、乗員の安全を脅かし、EP3のミッションを危険にさらしたと判断した」としている。
一方、ベネズエラ軍は21日、米軍機が航行の安全を脅かし、国際条約に違反したと反論。「国際民間航空機関(ICAO) が確立した国際協約を適用する意図をもって、ベネズエラ空軍の航空機2機が同機のインターセプトを開始した。米軍機が協約を守らなかったことから、同機は(ベネズエラ領空からの)脱出を強いられた」と発表した。
ベネズエラでは、野党指導者のグアイド氏が自ら暫定大統領への就任を宣言し、マドゥロ大統領と対立を続けている。米国はグアイド氏を支援している。
米南方軍の声明では、「ベネズエラ国民が苦しみ、国家の基幹インフラが崩壊し、子どもたちが飢えているというのに、マドゥロは国の貴重な資源を使って一方的な不法行為を行っている」と非難した。
これに対してベネズエラ側は、2019年に入って米軍機76機以上がベネズエラ領空侵犯を試みたとしている。