米民主党有力者らに爆弾送付の被告、禁錮20年の刑
(CNN) 米民主党のオバマ前大統領をはじめとする著名政治家らに手製爆弾を送付し、有罪を認めていたシーザー・セイアク被告(57)が5日、ニューヨークの連邦地裁で禁錮20年と監督付き釈放5年の刑を言い渡された。
CNNが入手した法廷文書によると、セイアク被告は昨年10月、オバマ氏やヒラリー・クリントン元国務長官、俳優のロバート・デ・ニーロ氏、投資家ジョージ・ソロス氏ら13人に、計16個の手製爆弾を郵送した。いずれも爆発には至らず、けが人は出なかった。
被告は同月、フロリダ州で逮捕され、今年3月に有罪を認めた。検察側は計画的な「テロ攻撃」だったとして終身刑を求めていた。
検察によれば、爆弾の小包にはあて名の人物の顔に赤く「X」を書き加えた写真が入っていた。爆弾には火薬のほか、最大限の被害をもたらすためにガラス片や化学薬品を加えてあったという。
これに対して弁護側は、被告には知的障害や学習障害があり、過去に教師からの性的虐待や家庭不和、薬物依存を経験していると指摘。量刑は最小限の禁錮10年1カ月にとどめるべきだと主張していた。
弁護士らによると、被告は孤独な車上生活を続けるなかで共和党のトランプ政権に希望を見出し、車が荒らされた時に反トランプ勢力の仕業だと思い込んだ。爆弾は「偽物」のつもりで送付し、事の重大性を認識していなかったという。
連邦地裁の判事は、爆弾に殺傷力がなかったのは、被告に相手を本気で殺す意図がなかったからだと判断した。
被告は法廷で、犯行の責任を受け止め、深く反省していると述べた。