イランの脅威に米が警鐘、商船へGPS妨害や偽装通信 ホルムズ海峡
(CNN) 米運輸省海事局は7日、ホルムズ海峡とペルシャ湾を航行する商船に対し、イランの脅威に関する新たな警戒情報を出した。一部の船舶からGPS妨害を受けたという報告があったとしている。
さらに、「未確認の組織が米軍あるいは連合軍の艦船を名乗る虚偽の通信」についても報告が入ったとして警戒を促した。
7日の警戒情報では、イランが英船籍のタンカーを拿捕(だほ)した事件や、リベリア船籍のタンカーを一時的に拿捕した事件など、イランが関与した今年5月以来の事件に言及。
イラン軍が絡む直近の「少なくとも2回」の事案では、船舶からGPS妨害の報告があったと述べ、自動船舶識別装置(AIS)が使えなくなって拿捕されたとしている。
この地域を管轄する米中央軍も7日に発表した声明で、GPS妨害や虚偽の通信、警告がほとんどあるいは一切ない通信妨害が船舶から報告されているとした。
米国防当局者がCNNに語ったところによると、イランはペルシャ湾のホルムズ海峡入り口付近に位置するアブムサ島にGPS妨害装置を仕掛けている。
この場所に妨害装置を設置したのは、民間の航空機や船舶の航行システムを混乱させて、GPSが機能しない状態でイランの領海や領空に迷い込ませ、イランの部隊に拿捕する口実を与える狙いがあると米当局者は見ている。
この当局者によれば、イランの妨害装置は米軍の艦船や航空機に対しては通用しない。
イラン軍のボートは、商船が使う自動船舶識別装置を偽装して、イスラム革命防衛隊やイラン海軍の艦船を商船に見せかけていると米当局者は話している。