人食いバクテリアに感染、手術で皮膚の25%を切除 米男性
(CNN) 米フロリダ州に住む男性が人食いバクテリアに感染したため外科的手術を3度受け、皮膚の25%が切除された。
デービッド・アイルランドさんはA群溶血レンサ球菌による壊死(えし)性筋膜炎と診断されて入院し、重体だという。デービッドさんの兄弟のダニエルさんがクラウドファンディングサイト「ゴーファンドミー」で明らかにした。
壊死性筋膜炎では、皮膚の下の組織が壊死する。肉食性のバクテリアは1種類以上存在するが、公衆衛生の専門家によれば、A群溶血レンサ球菌はこうした感染を引き起こすバクテリアのなかでも一般的なものだという。
米疾病対策センター(CDC)によれば、米国のA群溶血レンサ球菌の症例数は毎年約1万1000~1万3000件。全ての症例が壊死性筋膜炎として現れるわけではないが、最大1600人が何らかの侵食性の疾患によって死亡する。
アイルランドさんが感染した経緯は不明。たいていこうしたバクテリアは切り傷や擦り傷などの皮膚の裂け目から体内に入り込む。ただ、一部の人は鈍的外傷でも壊死性筋膜炎に感染する場合がある。
ダニエルさんによれば、デービッドさんは血圧が安定するなど一部で回復の兆しも見えているという。医師はさらにデービッドさんの感染について検査を行い、必要ならさらに皮膚の切除を行うという。
壊死性筋膜炎の初期症状は、急速に広がる皮膚の赤みや腫れ、激しい痛み、発熱など。症状が進むと、潰瘍(かいよう)や水ぶくれが皮膚に現れ、目まいや疲労、下痢などを伴う。
壊死性筋膜炎には誰でもかかり得るが、患者は、糖尿病や腎疾患、がんなど、感染症に抵抗するための体本来の力の低下を引き起こす別の健康問題を抱えていることが多い。