米中通商協議が「第1段階」の合意、包括合意には至らず
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は11日午後、ワシントンで続いていた米中通商協議が「第1段階」の合意に達したと発表した。ただ、包括的な合意には至らなかった。
トランプ大統領はホワイトハウス執務室で中国の劉鶴(リウホー)副首相と並んで会見し、「非常に重要な第1段階の合意に至った」と発表。「書面化されれば交渉妥結だ」とした。
トランプ氏によると、合意文書の作成には3~5週間を要する見通し。
トランプ氏はまた、「我々はチリで一緒に大きな会議に出席する」とも述べた。来月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で中国の習近平(シーチンピン)国家主席と会談する方針を確認したものとみられる。
今回の協議では知的財産権問題や金融サービス分野、中国による400億~500億ドル(約4兆3000億~5兆4000億円)規模の農産物購入で合意に達したという。
ムニューシン財務長官は、合意文書作成中は来週予定していた25%から30%への関税引き上げを実施しない方針を確認した。
ホワイトハウス執務室で行われた会談では、劉氏が習主席からの書簡をトランプ氏に手渡す場面もあった。ホワイトハウスの英訳によると、書簡は習氏が交渉への期待を示す内容。
書簡は「健全で安定した米中関係は両国と世界の利益にかなう」と述べ、「双方が両首脳の合意した原則と方向性に沿って行動し、連携と協力、安定に基づいて米中関係の前進に取り組むことを望む」としている。
米株式市場では同日午前、ダウ工業株平均が約400ドル上昇した。交渉が予想より進捗しているとのトランプ氏らの前向きな発言や、10月の消費者信頼感指数で消費者心理の指数が過去3カ月で最高となったことを好感した。