クルーズ船内の性的暴行、7~9月期は前年比67%増 米調査
(CNN) 米国を出港するクルーズ船で7~9月期に報告があった性的暴行被害が、前年同期比67%増の35件に上ったことが分かった。米運輸省がまとめたデータで明らかになった。
うち27件については乗客、5件は乗員、3件はその他の人物の犯行が疑われている。
クルーズ会社別に見ると、20件は最大手米カーニバルで発生。うち17件は乗客、1件は乗員による犯行が疑われている。残り2件については容疑者の身元は明記されていない。
米ロイヤルカリビアンでは8件発生し、うち4件の容疑者は乗客、3件は乗員、残り1件は不明となっている。
今回の調査では、計12社が「クルーズ船警備安全法(CVSSA)」に基づいて犯罪データを提出した。同法は米国に入出港する船舶の大部分に対して安全上の要件を定めている。
カーニバル社は声明で、乗客の安全は最優先事項であり、警備の行き届いた安全な環境で年間600万人にサービスを提供していると強調した。最多の発生件数となったことについては、他社に比べて米国での運航規模が大きいことの表れだとしている。
ロイヤルカリビアン社は、こうした被害を真剣に受け止めていると表明。被害報告があった際には法令や業界内の指針に従って、直ちに適切な法執行当局者に通報していると説明した。
業界団体のクルーズライン国際協会(CLIA)は運輸省の報告書について、「特に地上での犯罪と比べた場合、船内での重大犯罪が依然極めてまれであることを示している」と述べた。