イランで拘束の米国人学生、相互釈放で帰国へ
(CNN) イランで3年前から拘束されていた中国系米国人の大学院生が7日に解放され、近く帰国する見通しとなった。米国とイランの間で拘束者の交換が実現し、米国側も昨年秋に拘束したイラン人科学者を釈放した。
米プリンストン大学の博士課程に在籍するシーユエ・ワン氏は2016年8月、研究のために訪れたイランでスパイ活動に従事したとして拘束され、禁錮10年の刑を言い渡されていた。
イランはプリンストン大学がワン氏を同国へ送り込んだと主張したが、同大学は全面的に否定。国連の作業部会も昨年、ワン氏の拘束に法的根拠はないとの見解を示し、イランに即時釈放を求めた。
米政府高官によると、ワンさんは7日にドイツ入りし、同国の米軍病院で健康診断を受けている。心身ともに健康状態は良好で、まもなく帰国の途に就く予定とされる。
イラン国営プレスTVによると、同国の幹細胞研究者、マスード・ソレイマニ氏は昨年秋、米シカゴに到着した直後に拘束されていた。ヒト成長ホルモンに関連する生体物質の密輸を共謀した罪で有罪となり、出廷する予定だったが、同高官によれば米司法省が起訴を取り下げた。
イランのザリフ外相は7日、イラン機で帰国するソレイマニ氏に同行した自身の写真をツイートした。
米ホワイトハウスはワン氏の釈放を発表した声明で、交渉を仲介したスイスに感謝の意を表した。事情に詳しい関係者によると、ワン氏はイランからまずスイス政府機でチューリヒへ運ばれ、米国務省のフック・イラン担当特別代表の出迎えを受けたという。
トランプ米大統領は声明で、今後も引き続き、外国で不当に拘束されている米国人の帰還に向けて努力すると表明した。