米下院民主党、トランプ氏の弾劾条項を発表 職権乱用と議会妨害
(CNN) トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐって弾劾(だんがい)調査を進めてきた下院の野党・民主党幹部らは10日、同氏を職権乱用と議会妨害の罪に問う弾劾条項を発表した。
調査を主導した下院6委員会の委員長を務める民主党議員らがペロシ下院議長とともに、起訴状に相当する弾劾訴追状を公表。この中に2つの弾劾条項が盛り込まれた。
職権乱用の項目は、トランプ氏が大統領としての権限を使い、ウクライナに2020年米大統領選への介入を要請したとする内容。議会妨害の項目は、トランプ氏が下院の召喚を完全に無視し、弾劾調査への協力を全面的に拒否するよう指示を出したと指摘している。
下院では、この2項目に基づいてトランプ氏を弾劾する決議案が、司法委員会で12日以降に審議、承認され、来週本会議で採決にかけられる見通し。可決されれば上院での弾劾裁判に移る。
情報委員会のシフ委員長は、トランプ政権が証言や証拠提出を拒否し、トランプ氏による不正行為が現在も続いている状態で、これ以上待つことはできないと強調した。
これに対してホワイトハウスのグリシャム報道官は、「根拠のない弾劾条項の発表で大統領が困ることはない。困るのは米国民のほうだ」と主張。トランプ氏は上院で無実の罪を晴らすだろうと述べた。
上院で多数を占める与党・共和党のマコネル院内総務は10日昼過ぎの記者会見で、上院での弾劾裁判が「フットボールの試合が終わった頃」に始まるだろうと語った。ある側近はCNNに、毎年1月1日に開催される大学フットボールの試合「ローズ・ボウル」を指した発言との見方を示した。