子どもを襲った狂犬病のコヨーテ、父親が素手で撃退 米
(CNN) 米ニューハンプシャー州で親子連れがコヨーテに襲われ、父親が素手でコヨーテと格闘して窒息死させた。州魚類鳥獣局は21日、狂犬病検査でこのコヨーテから陽性反応が出たと発表した。
親子連れは20日、同州エクセターでコヨーテに襲われ、2歳の息子がジャケットのフードに噛(か)みつかれて地面に引きずり倒された。
父のイアン・オライリーさんは、コヨーテから身を守ろうとして2度噛まれながらも蹴って引き離し、コヨーテの頭を雪にうずめ、口が開けられないように手で押さえ付けながら、全体重をかけ続けて窒息死させた。
オライリーさんはCNNの取材に対し、「これまで動物を傷つけたことはなかったので、妙な経験だった」と振り返った。
州魚類鳥獣局は、エクセター地域の動物の間で狂犬病が広がっている可能性もあるとの見方を示し、「これまでに収集した証拠や、異常な様子のコヨーテを目撃したという複数の証言から判断すると、エクセター地域で狂犬病をもっているのがこのコヨーテだけとは思えない」としている。
狂犬病のウイルスは哺乳類に感染する。感染した動物に噛まれると、唾液(だえき)を通じてウイルスが傷口から神経に入り込み、脳や脊髄(せきずい)に達して死に至ることもある。
オライリーさんが襲われる2時間ほど前には、近隣のケンジントンでも女性がコヨーテに襲われていた。
CNN系列局WMURによると、自宅のポーチに座っていた女性と犬2匹がコヨーテに襲われて、女性が噛まれる被害に遭った。女性と2匹の犬は予防措置として狂犬病のワクチン接種を受けたという。
ケンジントンで女性を襲ったのが、エクセターで死んだのと同じコヨーテだったのかどうか、州当局は確認できていない。