米衛生当局、国民のマスク着用勧告を検討 従来の立場から一転
(CNN) 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、米政権と米疾病対策センター(CDC)がこれまでの立場を覆し、国民にマスクの着用を勧告することを検討している。米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)のアンソニー・ファウチ所長が明らかにした。
マスクの着用をめぐっては、世界保健機関(WHO)が30日、症状のある人や病人を看護している人のみが着用すべきだと改めて表明した。しかし、感染拡大を防ぐためには一般の人もマスクを着けるべきだとする専門家や当局者は増えている。
トランプ大統領も30日にホワイトハウスで行った記者会見で、マスクの着用に言及した。
NIAIDのファウチ所長は、国民にマスクの広範な使用を促すことをホワイトハウスが積極的に検討していると述べ、31日の対策本部でこれについて話し合う予定だと言い添えた。
ファウチ所長はCNNの番組の中で、「今までそうしてこなかったのは、これを必要とする医療従事者からマスクが奪われないようにするためだった」と述べ、「十分なマスクを確保できる状況になれば、マスク着用勧告の対象拡大について真剣に検討することになるだろう」とした。
その上で、「実際のところ、感染しているかもしれないし、していないかもしれない人が他人に感染させないための最善の手段はマスクをすることだ」と指摘した。
ソーシャルメディアを通じてマスクの着用を呼びかける専門家も増えており、この問題をめぐる専門家の意見が変化していることをうかがわせる。
欧州ではオーストリア、チェコ、スロバキアが公の場でのマスク着用を義務付けた。パンデミックが始まった中国も、外出時のマスク着用を呼びかけていた。