非人道的?駐車場で寝るホームレスの写真が波紋呼ぶ 米ラスベガス
(CNN) 米ネバダ州ラスベガスにあるホームレス(路上生活者)の宿泊施設が新型コロナウイルス感染者の発見で閉鎖され、地元当局が駐車場に寝場所を用意した。その光景が「非人道的」との批判を呼んでいる。
ソーシャルメディア上で拡散した写真には、地面に描かれた白い枠の中に、感染拡大を防ぐ距離とされる約2メートルの間隔を置いて横たわる人々の姿が写っている。
ラスベガス市当局が郡、州と共同で、スタジアム複合施設の駐車場に野宿スペースを設けた。市内で長年、ホームレスを収容してきた施設が急きょ閉鎖を余儀なくされ、約500人が行き場を失ったためだ。
市当局者の話によると、当初は駐車場に2200平方メートルのカーペットを敷いた。28日の設営作業には約50人のボランティアが参加し、10人余りの医学生が宿泊者の検温を担当。最初の夜は66人、29日には117人が集まり、「ここなら安心できる」と涙ぐむ女性もいた。
ところがここで、カーペットは消毒が難しいという問題点が浮上した。近隣の屋外収容施設で使っているようなマットなら簡単に消毒できるが、調達は難しい。そこでやむなく、コンクリートにペンキで枠を描くことにしたという。
当初敷き詰められたカーペットは消毒や清掃が困難との理由で撤去された/Clark County Nevada/Twitter
これに対し、「ひどい」「駐車場に寝かせるなんて」といったツイートが相次いだ。
だが同当局者は、複合施設の内部は病院からの患者搬送に備えて空けてあると説明し、「最善を尽くしている」と強調。週半ばには元の宿泊施設も再開するとの見通しを示したうえで、設営に協力したボランティアらに感謝の意を表した。