感染コロナ対策で走行車両が減少、危険な暴走は増加 米
(CNN) 米国各州の交通安全局などが創設した非営利団体は19日までに、新型コロナウイルス対策の外出制限などで路上の車両数が減った半面、危険なまでの速度超過で走行する事例が急増したと報告した。
同団体「GHSA」によると、一般道や高速道路が閑散とする中で主要都市やより人口が少ない都市で時速100マイル(時速約161キロ)もの速度で走る事例がかなり増えた。
道路の交通量分析などを手掛ける企業「INRIX」によると、速度超過の走行は新型コロナの流行で車の全般的な往来が減少するのに合わせて増加。シカゴやロサンゼルスなどの都市の運転者は感染拡大前の日々の通常の速度を約75%上回る水準で走っているとした。
全米の法執行機関も時速100マイル超の走行を報告。オレゴン州マルトノマ郡では制限速度が時速55マイルの地区で同105マイルで飛ばしていた事例もあった。ジョージア州サンディスプリングス郡では同172マイルで暴走していたオートバイが捕まった。
GHSAによると、感染被害が甚大なニューヨーク市では先月27日、自動式の速度監視カメラが市内全域で交付した違反切符は2万4765枚。1カ月前の1日の総数の倍となった。
路上の車両数が減ったものの過度の高速走行は死亡事故の増加につながることを示唆する暫定データも出ている。ミネソタ州では自宅待機措置が打ち出された先月以降、衝突事故による死亡件数が倍増。地元紙によると、昨年同期の13人が今回は28人となり、半数は速度の出し過ぎが死因だった。
GHSA幹部は、感染が拡大する中で速度超過の走行で負傷した場合、医療態勢の負担がさらに増す恐れがあるとも警告した。