ワクチン早期供給を目指す米政権の「ワープ作戦」、製薬大手の元幹部を起用
(CNN) 新型コロナウイルス予防ワクチンの早期供給を目指すトランプ米大統領の「ワープ・スピード作戦」主導者として、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)のワクチン部門トップだったモンセフ・スラウイ氏が起用されることになった。ホワイトハウス高官が13日に明らかにした。
スラウイ氏はワープ・スピード作戦の首席顧問に就任する。さらに、後方支援を統括する最高執行責任者(COO)としてギュスターブ・ペルナ陸軍大将が任命された。
ワープ・スピード作戦は、今後開発されるワクチンの製造と流通を加速させる目的で、トランプ大統領が2週間前に発表した。専門家は、ワクチン開発にはあと数カ月から数年かかるとの見通しを示している。
これまで同作戦は、アザー保健福祉長官とエスパー国防長官が統括してきた。両省庁とも引き続き作戦に関与する。
スラウイ氏はGSKの世界研究開発事業責任者を経て、2015~17年まで世界ワクチン事業部長を務め、乳児ロタウイルス胃腸炎や子宮頸(けい)がん、帯状疱疹(ほうしん)の予防ワクチン開発にかかわった。
米政権高官がCNNに語ったところによると、ワープ・スピード作戦では今年11月までに1億回分、12月までに2億回分、来年1月までに3億回分のワクチン供給を目標とする(ただし実現は不可能かもしれない)。
トランプ政権のワクチン開発プロジェクトにかかわる専門家は、開発の重点を置くワクチンを14種類に絞り込み、現在実験が行われている6~8種類のワクチンが実験の次の段階に入ることを期待する。
当局者は3~4種類のワクチンを最終実験段階に到達させて実用化したい意向だが、それができるかどうかは実験の進み具合や臨床実験の成否にかかっている。