トランプ大統領、ワクチン開発は年内目標 「なくても正常化」
(CNN) トランプ米大統領は15日、新型コロナウイルスのワクチンを年内に開発することを目指す「ワープスピード作戦」を正式発表した。一方で、ワクチンの有無にかかわらず米国は正常な活動を再開するとも表明した。
トランプ氏はホワイトハウス中庭で会見を行い、「非常に重要な点を明確にしておきたい。ワクチンがあろうとなかろうと、我々は元の状態に戻る」と強調。「我々はそのプロセスを開始しているところだ」と述べた。
新型コロナワクチンを巡っては、世界各地の研究者が開発を急いでいる。新型コロナによる死者は世界で30万人を超える。
自宅待機令下にある国民や、業務制限中の企業が活動を正常化するためには、ワクチンが唯一の道になるとの見方が多い。しかしトランプ氏は今回、こうした見方を共有しない姿勢を鮮明にし、一部の州が規則緩和を進める中で、経済はすでに回復に向かっていると強調した。
トランプ氏はワクチンについて、数カ月以内に入手可能になると自信を示しつつも、国民生活を正常化させる上での重要性は否定。「(ワクチンが)あれば大きな前進になる。たとえなくても、多くの場合と同様、問題はどこかの時点で消える」としている。
トランプ氏は各州に対して制限の解除を促しており、11月の大統領選までに経済を回復させたい考えだ。
だが、新型コロナの影響は今回の会見中にも明らかだった。ホワイトハウスの外では輸送量の低下に抗議するトラック運転手がクラクションを鳴らし、トランプ氏の背後でも、ファウチ国立アレルギー感染症研究所長らマスクを付けた側近の姿が目立った。