新型コロナに関係か 子どもに相次ぐ炎症症候群、米当局が情報提供呼びかけ
(CNN) 米疾病対策センター(CDC)は14日、新型コロナウイルス感染症との関係が疑われる新しい子どもの症例報告が欧州や米国で相次いでいることを受け、全土の医師に情報提供を呼びかけた。
この症例は、小児多臓器炎症症候群(MISC)と呼ばれ、欧州全土と米国の18州および首都ワシントンの子どもの症例が確認されている。
4月に英国の医師が報告し、続いてイタリアやフランスなどでも同様の症例の集団感染が発生した。
この症例は当初、大動脈や心臓に関係した炎症の症状を引き起こす川崎病と思われていた。しかし川崎病にしては症例数が多すぎることから、別の炎症症候群とする見方で医師の見解が一致した。発症した子どもの多くは、全員ではないものの、新型コロナウイルス検査で陽性反応が出ているか、過去に陽性と判定されたことがあった。
死亡例はほとんどなく、ほとんどの子どもは回復しているという。
CDCによると、ニューヨーク市と州では3月から4月にかけて新型コロナウイルスの症例数が激増していたが、5月上旬になってニューヨーク市衛生局に、多臓器炎症症候群の子どもの症例報告が寄せられるようになった。
ニューヨーク州のクオモ知事は14日の記者会見で、州衛生局が同症候群の症例110例について調査していることを明らかにした。「新型コロナウイルスに接触して、抗体を持っているか、まだ陽性反応が出ている子どもに表れる傾向がある」としている。
CDCは、現時点ではまだ情報が限られていると述べ、MISCが疑われる症例については公衆衛生当局に報告するよう、医療従事者に促している。