米国の新型コロナ感染者、22州で増加傾向
(CNN) 米国内の各州で行動制限措置の緩和が進み、黒人差別への抗議デモに多くの人々が繰り出すなか、新型コロナウイルスの新規感染者は半数近い州で増えていることが分かった。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、米国内では過去4カ月余りのうちに190万人以上の感染が確認され、11万人以上が死亡した。
ここ数日間で新たに報告された感染者の数は22州で増加、約20州で減少、8州で横ばいとなっている。
特に急増した州のひとつがフロリダだ。同州では経済活動の再開が第2段階に入る一方で、1日当たりの新規感染者数が過去1週間に平均約46%の増加率を示した。
感染拡大は当初、沿岸部の大都市で目立っていたが、ここ数週間はアーカンソー、テキサス、アリゾナ、ユタなど内陸部の各州で増加傾向にある。
世界全体の感染者数も増え続けている。世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が8日に発表したところによると、7日に世界で報告された新規感染者は13万6000人と、過去最多を記録した。このうち75%近くを南北米大陸と南アジアが占めている。
一方、米カリフォルニア大学バークレー校の研究によると、米国内での休校や営業停止、外出制限といった緊急措置により、約6000万件の感染が阻止できたと推定される。
新型ウイルスの治療薬としては、米製薬大手ギリアド・サイエンシズの「レムデシビル」が米当局の緊急使用許可を得ているが、米厚生省の当局者によると、政府からの供給は今月29日の週が最後になる見通し。同社は増産体制を強化しているものの、夏までにどれだけ供給できるかは不明だという。