米ホワイトハウス記者会、政権を批判 記者会見で予防策無視の席配置
ニューヨーク(CNN Business) 米ホワイトハウス記者会は7日までに、ホワイトハウスの庭で実施されたトランプ大統領の記者会見で新型コロナウイルス予防策の対人距離の確保を無視した形で記者席を配置したとしてトランプ政権を批判した。
連邦政府が打ち出した防疫指針の違反であり、記者の健康を危険にさらしたと非難。記者会見と称していたものの大統領は質問を一切受け付けなかったとも反発した。
会見は庭のローズガーデンで5日開かれ、折りたたみ式の椅子を使った記者席の間隔は当初、4月以降の慣行である6フィート(約183センチ)の距離となっていた。
記者団がカメラ設置などの準備を終えて数分後に会場に戻ったところ、この間隔が約1フィートに狭められていたという。
ホワイトハウスのジャッド・ディア副報道官は、間隔の縮小は自らの決定と説明。CNNの取材に電子メールで「より見栄えが良い」と主張し、代表取材の記者団は検査や検温などを受けており感染対策に不備はないとも続けた。
ただ、5日の会見には代表取材の記者団に含まれておらず検査を受けていなかった記者の出席も認められていた。
会見ではトランプ氏も記者席の間の距離が縮められていることに言及。「はるかに良い」などと述べていた。
トランプ氏はこれまで新型コロナ対策の対人距離の確保などはもはや不必要との考えも示してきた。今回の記者席配置の問題は対策が不要であることを視覚的に印象づけるため記者団を小道具に使ったとも受けとめられている。