サハラの砂嵐が8000キロを横断して到達、健康被害の恐れも 米南東部
(CNN) アフリカのサハラ砂漠から8000キロを横断して米大陸に到達した砂塵が、米南東部を覆っている。ジョージア州は、健康被害が発生する可能性もあるとして、住民に警戒を促した。
ジョージア州衛生局は27日、砂塵(さじん)は今後数日間にわたって同州の上空にとどまるとの見通しを示し、特に慢性の肺疾患をもつ人は、身を守る対策が必要だと呼びかけた。
砂が暴風に巻き上げられてできる砂柱は、今年に入ってアフリカ西部と中部で発生し、約8000キロを横断して米大陸に到達した。
サハラ砂漠の砂塵は例年、ハリケーンの季節に米大陸に到達する。しかし今年は過去50~60年で最も密度が高く、目や鼻、喉の炎症を引き起こすほか、アレルギーや喘息(ぜんそく)がある人は呼吸器系の症状が出ることもある。
ジョージア州衛生局は、大気がかすんで見える場合は屋外での活動を控えるよう勧告。屋内では窓やドアを閉め、エアコンは外気を取り入れない状態で使うよう促している。
外出する場合は粒子状物質を吸い込まないためにも、新型コロナウイルス対策のためにも、マスクを着用するよう呼びかけた。
週の半ばまでにはテキサス州やルイジアナ州沿岸部も、サハラの砂塵の影響を受ける見通し。ただし現在南東部を覆っている砂塵ほどの密度に達することはないと予想されている。