米FAA、ボーイング737MAXの飛行試験開始を承認
ニューヨーク(CNN Business) 米連邦航空局(FAA)は28日、運航を停止しているボーイングの旅客機「737MAX」の試験飛行開始を承認すると発表した。飛行試験は早ければ29日にも開始される。
737MAXは、計346人の犠牲者を出した2度の墜落事故を受け、2019年3月から運航を停止している。
ボーイングによると、今年半ばまでには旅客機としての本格的な運航再開が承認される見通し。FAAが米議会に宛てた28日の書簡では、運航停止解除の日程はまだ確定していないとしている。
29日にも始まる予定の飛行試験はFAAのテストパイロットが実施し、ボーイングの提案した自動飛行制御システムの変更について評価する。飛行試験は数日かけて実施する見通しで、さまざまな飛行動作や非常時の手順について、FAAの承認基準を満たしているかどうかを判断する。
ボーイングは当初、2019年中にも運航を再開したい意向だったが、今年2月にソフトウェアの新たな不具合が見つかるなど、幾つもの障壁に阻まれていた。
ボーイングは28日、CNNに寄せた声明の中で、「737MAXの安全な運航再開に向け、今後も入念な取り組みに努める。その過程においてはFAAおよび世界の規制当局に従う」と表明した。
737MAXの問題に絡むコストは既に187億ドル(約2兆円)に達しており、今後も膨らみ続ける見通しだ。
ボーイングは今年1月に737MAXの製造を中止。続いて新型コロナウイルスの流行が世界の航空会社を直撃した。
5月には737MAXの製造を再開したが、新型コロナウイルスの影響で新型機の納入を中止したり遅らせたりする航空会社が相次ぎ、ボーイングは少なくとも向こう数年の間、製造計画の大幅な縮小を余儀なくされている。