トランプ米政権、WHO脱退を正式に通告 与野党から批判の声
(CNN) トランプ米政権が世界保健機関(WHO)からの正式な脱退を米議会と国連に通知した。複数の当局者らがCNNに語った。
米国務省当局者によると、来年7月6日付で脱退するとの通知がグテーレス国連事務総長に送付された。グテーレス氏の報道官は同氏が通知を受け取ったことを認め、脱退の条件を満たしているかどうかを確認していると述べた。条件には1年前までの通告や、割り当てられた分担金の支払いなどが含まれる。
事情を知る関係者がCNNに語ったところによると、通知は3文程度のごく簡単な内容だったとみられる。
世界で新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、WHOは世界各国の病院への医療資源供給やワクチン開発、感染経路の追跡などで重要な調整役を果たしてきた。
しかし、トランプ氏はかねて、WHOが感染拡大をめぐる中国の情報隠ぺいに加担したと非難し、米国からの拠出額は中国に比べてはるかに多いとの不満をあらわにしてきた。4月半ばにはWHOへの資金拠出を停止すると発表し、5月に脱退の意向を表明していた。
米大統領選で野党・民主党の候補指名が確定しているバイデン前副大統領は7日のツイートで、当選したら就任初日に脱退の決定を覆すと表明した。
議会では与党・共和党内部からも批判の声が上がった。米医師会(AMA)など医学界4団体のトップは、脱退が米国に「重大なリスク」をもたらすとの共同声明を出し、議会にこの動きを阻止するよう求めた。