米ホワイトハウス、ファウチ所長との対立姿勢鮮明に
(CNN) 米ホワイトハウスは新型コロナウイルス感染対策をめぐり、ファウチ国立アレルギー感染症研究所長との対立姿勢を強めている。
ホワイトハウスのある当局者は11日、CNNへの談話で「複数の政権当局者がファウチ氏による間違いの多さを懸念している」と述べ、その例を箇条書きにしたリストを示した。
リストには、ファウチ氏が初期の段階で示していた楽観的な見通しや、3月の時点で一般市民のマスク着用に否定的な見解を述べた発言が含まれている。
トランプ大統領とファウチ氏の間ではこのところ直接言葉を交わす場面がなく、双方がインタビューや談話を通して互いに批判し合うなど緊張が高まっている。
「米国は素晴らしい対応を取ってきた」「新型ウイルスの99%は完全に無害」などとするトランプ氏の主張を、ファウチ氏は新聞やラジオのインタビューで公然と否定してきた。
これに対してトランプ氏は先週、「ファウチ氏は良い人物だが、たくさんの間違いを繰り返してきた」とコメント。ファウチ氏が「米国はまだ第1波のさなかにいる」と指摘した発言にも「賛同しない」と明言した。
ある政権高官がCNNに語ったところによると、一部のホワイトハウス当局者らはファウチ氏を信用せず、トランプ氏への配慮がないと批判している。
一方で厚生省のカプート広報担当次官補は、ホワイトハウスと科学者の間に対立関係はないとして連携を強調したものの、政権のファウチ氏批判に関する質問には答えなかった。