デモ激化で警察組合のビルに放火、「暴動」発生を宣言 米ポートランド市
米オレゴン州ポートランド(CNN) 人種差別への抗議デモが続く米オレゴン州ポートランドで18日夜、警官組合のビルが放火され、当局が「暴動」発生を宣言した。同市内ではデモ参加者らが身分を明示しない連邦当局のチームに拘束されるケースが相次ぎ、ウィーラー市長らが抗議している。
ポートランド警察が19日朝までに投稿したツイートによると、市北部でデモ隊が暴徒化し、ペンキ入りの風船や石などを投げ付けられた警官数人が負傷した。市中心部でも連邦裁判所付近に集まった参加者らが周囲のフェンスを撤去するなどの行動に出た。
同市では少なくとも50日にわたり、人種差別や警官の暴力に抗議するデモが続いている。平和的なデモが大半を占める一方で、暴力も散発している。
警官組合ビルの前では19日、地域社会のリーダーや活動家らが記者会見を開き、暴力や破壊行為をやめるよう呼び掛けた。
市内では、国土安全保障省(DHS)のチームが所属表示のない迷彩服姿でデモ参加者らを拘束し、一般車両に乗せて走り去る場面が繰り返し目撃されている。
連邦政府の建物や記念碑などを保護するために派遣された連邦政府当局者/Nathan Howard/Reuters
ウィーラー氏は19日、CNNとのインタビューで、こうした拘束は相当の理由や適正手続きという要件を満たしていないと主張。連邦チームの存在がかえって状況を悪化させていると非難した。
オレゴン州のブラウン知事も連邦当局者の撤退を求めている。州司法長官は先週、DHSを相手取り、拘束する側の身分表示などを求める訴訟を起こした。
これに対してトランプ大統領は同日、「我々はポートランドに害を及ぼそうとしているのではなく、助けようとしているのだ」とツイートした。