メラニア夫人、理解と団結を訴え熱弁 党大会2日目

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共和党全国大会2日目の締めくくりの演説を行ったメラニア・トランプ米大統領夫人/BRENDAN SMIALOWSKI/AFP/Getty Images

共和党全国大会2日目の締めくくりの演説を行ったメラニア・トランプ米大統領夫人/BRENDAN SMIALOWSKI/AFP/Getty Images

(CNN) メラニア・トランプ米大統領夫人は25日夜、ホワイトハウスのローズガーデンから共和党全国大会2日目を締めくくる演説を行い、新型コロナウイルスの大流行と経済崩壊という二重の危機に苦しむ米国民に団結と理解を訴えた。

メラニア氏の演説は、それまでの登壇者の暗く分断的な内容とは極めて対照的なものとなった。同氏は新型コロナによる18万人近い死者の家族に深い哀悼の意をささげ、570万人以上の感染者に最前線で対応する関係者に感謝の言葉を述べた数少ない登壇者の一人となった。

メラニア氏は最前列で話を聞くトランプ大統領を前に、「3月から我々の生活は大きく変わった事実を認めたい。目に見えない新型コロナウイルス感染症という敵がこの美しい国にまん延し、我々全員に影響を与えた」と述べた。トランプ氏を含む観衆は社会的距離を保っているようには見えなかった。

メラニア氏はさらに、「最愛の人を失った全ての人に深い哀悼の意をささげ、感染し苦しむ人々のために祈りたい。多くの人々が不安を感じ、無力だと感じる人々もいることを知っている。あなたは独りではないと伝えたい」と続けた。

トランプ政権については「効果的な治療法やワクチンが全員に届くまで闘いをやめることはない」「ドナルドはこのひどい新型コロナの流行で影響を被った全員を保護するためにできることを全て、休まずに行う」と述べた。

トランプ氏が再選されるべき理由も挙げつつ、自身の子どもとの関わりや、若者の問題に取り組む「ビー・ベスト」の運動、2期目の予定、この3年半でうれしかった瞬間にも触れた。

前回2016年大統領選では、メラニア氏の演説内容の一部が08年のミシェル・オバマ前大統領夫人の民主党全国大会での演説から盗用したものだとの指摘があった。トランプ陣営は当時それを認め、演説の草稿を補助していたライターが悪意なく行った誤りの結果としていた。

メラニア夫人(左)の演説をローズガーデンの最前列で聞くトランプ氏/RNC
メラニア夫人(左)の演説をローズガーデンの最前列で聞くトランプ氏/RNC

メラニア氏は自身の感謝の言葉を医療関係者や最前線の従事者、教師にも向け、「自分自身や家族へのリスクをかえりみず、国を第一に考えてくれた」と語った。

トランプ氏の子どもも含むこれまでの登壇者の多くは、民主党の大統領候補、バイデン前副大統領が米国の理想や価値観を破壊し、破滅的な未来をもたらすと主張してきた。一方メラニア氏は、この貴重な時間を他の党を攻撃するために使いたくないと語った。

「他方を攻撃するのに時間を使いたくない」とメラニア氏は民主党全国大会をほのめかしながら、「先週見たように、その種の話は国を分断するのに資するだけだ。私がここにいるのは、夫にあと4年、大統領、最高司令官でいてほしいからだ。彼がこの国にとって最良だ」と述べた。

また警察官に首を押さえつけられ黒人のジョージ・フロイドさんが死亡した事件後に全米に広がった抗議デモや人種的な不安にも触れ、「みなさんと同じように、この国の人種的な不安について考えた。我々の歴史の誇ることができない厳しい現実だ」「過去からも学びつつ未来に焦点を当てることを呼び掛けたい」と発言した。

デモ参加者について、トランプ氏が春から夏にかけて何度もしてきたように非難をするのではなく、国民が「標準的な米国の理想へと取り組み、生活できるように、礼儀正しい方法で」団結すべきだと訴えた。

「正義の名の下で行う暴力や略奪をやめ、また皮膚の色で臆測することをやめるように人々に求めたい」「破壊ではなく、過ちを振り返り、我々の進展に誇りを持ち、先に続く道を見ていこう」とも語った。

共和党はファーストレディーの高い人気を女性有権者の取り込みにつなげたい考えだ。

この夏に行われた各社世論調査で、トランプ氏はバイデン氏に女性の間で20ポイント以上の差をつけられ、11月の本選の女性票でも歴史的な大差となる可能性がある。新型コロナ対応への不満の高さがその数値に拍車をかけ、トランプ氏が最近言及する「郊外に住む主婦」へのアピールも奏功していないように見える。

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