民主党候補バイデン氏、全国大会後に好感度上昇
(CNN) 米民主党の全国大会後に行われた世論調査で、今秋の米大統領選で正式に民主党候補となったジョー・バイデン前副大統領の好感度が上昇したことがわかった。現職のドナルド・トランプ大統領に対する支持率のリードは広がらなかったものの、好感度の上昇で有利な状況をさらに維持できるようになるかもしれない。
CBSニュースとユーガブによる世論調査では、投票する可能性の高い有権者のバイデン氏に対する支持率は52%とトランプ氏の42%を上回った。バイデン氏のリードは民主党全国大会が始まる前の世論調査と同水準だった。
バイデン氏とトランプ氏との対決において、全国大会実施による支持率の上昇は小さいものとみられていた。最近は党大会による支持率の上昇は少なくなっているほか、今回の大統領選は珍しいほど変化がなく、候補者の知名度は高く、投票先を決めていない人が少ないことから、規模が小さくなった全国大会によって大幅な支持率の上昇が起きる可能性は小さかった。
バイデン氏にとっての朗報は好感度が上昇したことだろう。ABCニュースとイプソスによる調査では、「好ましい」から「好ましくない」を引いた好感度は全国大会前よりも上昇した。
バイデン氏の好感度は成人全体ではマイナス3ポイントからプラス5ポイントと8ポイント上昇した。登録有権者で見てもマイナス2ポイントからプラス3ポイントに上がった。
もしこのまま好感度の上昇を維持できれば、バイデン氏にとっては大きな進展だ。全国大会が始まる前、バイデン氏の好感度は平均してマイナス1ポイントだった。これは、1980年以降、勝利した候補者の好感度の平均であるプラス6ポイントを下回っていた。
バイデン氏は支持率でトランプ氏(左)を大きくリードする状況が続いている/Getty Images
実際、バイデン氏の問題はトランプ氏に対する支持率ではない。バイデン氏は50%を超える支持を受け、トランプ氏に対するリードはかなり大きく、それを維持している。
バイデン氏の最大の問題は同氏の立候補に対する有権者の熱意が欠けていたところだ。有権者が2人の好ましくない候補者に投票するとき、投票率が下がる可能性があるほか、最後の瞬間に意見を変えることも多くなりそうだ。実際に前回の大統領選でトランプ氏が勝利したのは、いずれの候補者も好きではなかった有権者から最大の得票を得たためだった。