ペンス副大統領が指名受諾演説、ハリケーン直面の国民に支援表明
(CNN) 米大統領選に向けた共和党全国大会は3日目の26日、ペンス副大統領が指名受諾演説を行った。メキシコ湾沿岸にハリケーンが接近し、プロスポーツ界で警官による黒人銃撃に抗議する動きが相次ぐ中での演説となった。
この夜のイベントは民主党の大統領候補、バイデン前副大統領に対する批判が中心に据えられていたが、ハリケーンの接近と黒人銃撃事件への抗議の同時発生という国家的な重大局面で、ペンス氏とトランプ大統領は指導力を示す必要に迫られた。事前収録された他の登壇者の演説ではこれらへの言及がなかった。
ペンス氏は演説の冒頭、ハリケーン「ローラ」の進路に住む国民に支援を表明。トランプ政権は州当局と緊密に連携しており、連邦緊急事態管理局(FEMA)が人員や物資の投入に当たると述べた。
さらに「これは深刻な暴風雨であり、影響を受ける地域の住民は国や自治体の指示に従ってほしい」と要請した。安全な場所にとどまるよう呼び掛けたうえで、「我々は今後あらゆる局面で皆さんに寄り添い、支援や救助、対応、復興を提供する」と表明した。
共和党はトランプ氏が掲げる警察寄りの「法と秩序」のメッセージを前面に押し出す方針で、この日のペンス氏はその旗振り役を担った。
演説の舞台には、愛国心や米国旗の象徴性を体現する場所であることなどから、マクヘンリー要塞(ようさい)が選ばれた。同要塞は米英戦争中の1814年9月、ボルティモアの戦いで英国の攻撃をしのぎ、フランシス・スコット・キーが後に米国歌となる「星条旗」の詩を書くきっかけになった。