大統領選の投票用紙が届かず、数千人から問い合わせ 米ペンシルベニア州
(CNN) 米大統領選が来週に迫るなか、ペンシルベニア州バトラー郡の選管責任者は29日、同郡の有権者に届けられるはずの投票用紙が一部行方不明となっており、数千人から問い合わせの電話が寄せられていると明らかにした。
郵政当局は、いかなる問題も把握していないとしている。だが、選管責任者のアーロン・シーズリー氏によると、同郡には投票用紙を請求したのに届いていないという問い合わせが1万件あまり寄せられ、中には複数回電話してきた人もいるという。
シーズリー氏はCNNの取材に、「郵便局とピッツバーグの仕分け施設の間のどこかで何かが起きた」「何が発生したのかは分からない」と話した。行方不明になっている投票用紙の数は不明。
バトラー郡はピッツバーグの北方に位置し、同氏によると、約15万人の登録有権者が住む。影響を受けた有権者が確実に投票できるよう「最善を尽くす」としている。
郡当局は29日の声明で、有権者に送付した約4万枚の投票用紙のうち、これまでに返信されたのは2万1300枚にとどまると明らかにした。ただ、投票用紙を受け取ったものの、まだ返信していないだけの有権者が何人いるのかは不明だという。
ペンシルベニア州は激戦州として大統領選の行方を左右することから、今回の混乱には全米から強い関心が注がれている。前回2016年の大統領選では、バトラー郡の有権者の66%がトランプ大統領に投票、29%が民主党候補のクリントン元国務長官に投票した。
米郵政公社(USPS)の報道官はCNNの取材に、「バトラー郡での郵便物の仕分けや配達に関して、郵政公社では大きな遅れや問題は一切把握していない。選挙管理委員会と緊密に連携しつつ、投票用紙の位置確認や配達に取り組んでいる」としている。