「同じ米国人だ」 バイデン氏が国民向け演説、結束を呼び掛け
(CNN) 米大統領選で当選を確実にしたバイデン前副大統領が7日夜、地元デラウェア州から国民に向けて演説し、結束を呼び掛けた。
デラウェア州ウィルミントンの会場ではまず、次期副大統領に決まったハリス上院議員が檀上に立ち、有権者はバイデン氏を選ぶことで「希望と科学、良識、そして真実」を選んだと述べた。
さらに「民主主義の強さはそれを求めて戦う私たちの意志の強さで決まる」と訴え、世界中が注目するなかで「皆さんがこの国に新たな日をもたらした」と語り掛けた。
ハリス氏はまた、「私は女性として初の副大統領。でも私が最後にはならない」と強調した。
副大統領候補として出馬したハリス上院議員/Andrew Harnik/AP
続いて演説したバイデン氏は「国民の声が大きな勝利を、われわれ国民の勝利をもたらした」と宣言。歴代の正副大統領候補として最も多い7400万票を獲得したと報告した。全米各地で街に繰り出し喜ぶ支持者らの姿に驚きつつ、国民の信任を謙虚に受け止めていると述べた。
トランプ大統領の支持者らに対しては「皆さんの落胆は分かる。私自身も負けた経験がある」と共感を示したうえで、「互いの声にもう一度、耳を傾けよう」「対立する相手を敵視するのはやめよう。敵ではなく、同じ米国民だ」と訴えた。
「全ての営みには時がある」という聖書の一節を引用して「今はいやしの時だ」と語り、「米国の魂を取り戻そう」「米国は世界のかがり火だ」と、地位回復への意気込みを示した。
演説の最後では、新型コロナウイルス感染で家族らを亡くした人々の慰めになればと、病死した長男ボー氏が大好きだったという聖歌「鷲(わし)の翼」を引用。「ともに鷲の翼に乗り、神と歴史に託された仕事を始めよう」と語った。