バイデン氏、就任初日に大統領権限行使 トランプ政権時の政策を変更へ
(CNN) 米大統領選での勝利が確実となった民主党のバイデン前副大統領は、就任初日に大統領権限を行使して、米国の国際社会での指導的な役割を再び主張すると約束した。トランプ大統領時代の政策からの大きな転換となりそうだ。
バイデン氏と政権移行チームは選挙遊説での約束について、就任してから早い段階で実現できる計画へと転換し始めている。
バイデン氏の最初の焦点は悪化しつつある新型コロナウイルスの感染拡大になる可能性が高い。情報筋によれば、バイデン氏は9日にも12人からなる対策チームを指名する見通し。
バイデン氏はまた、大統領権限によってトランプ政権の外交政策の多くを取り消して、米国を4年前のオバマ政権時の最後の状況に急速に引き戻そうとする構えだ。
バイデン氏は繰り返し、就任初日に、地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」に復帰すると語っている。トランプ政権は2017年にパリ協定からの脱退を発表していた。バイデン氏はまた、トランプ政権が今年に入って「脱退」を通告した世界保健機関(WHO)についても参加の意向を示している。
この動きは両者の大きな違いを示している。バイデン氏は多国間による組織や条約に信を置いているのに対して、トランプ氏はそうしたものを信用していない。
バイデン氏はイスラム教徒が多数を占める国々に対する入国制限も撤廃する見通し。幼少時に親に連れられて米国へ不法入国した若者の強制送還を猶予する措置「DACA(ダカ)」も元に戻す。
政権移行チームは9月上旬から準備を進めていたが、ここ数週間はウェブサイトを開設するなど活動を活発化させている。