バイデン氏、ライス元国連大使を国内政策会議トップに起用
(CNN) バイデン次期米大統領は10日、スーザン・ライス元国連大使を国内政策会議のトップに起用すると発表した。外交や国家安全保障の分野での経験が長いライス氏に人種差別や移民、医療などの国内問題の統括を任せる驚きの人事となった。
ライス氏はオバマ政権下で国連大使や国家安全保障担当の大統領補佐官を歴任した。影響力の強い同氏の起用で、過去の政権では目立たなかった国家政策会議の地位も引き上げられることになる。
ライス氏は大統領の主要な顧問のリストにも名を連ねる予定で、外交と内政の双方で役割を果たす。当初は国務長官への指名も検討されていたが、ホワイトハウス内の役職に収まったことで上院で予想された厳しい承認手続きは回避されたことになる。
ライス氏はオバマ政権時の2012年に発生したリビア・ベンガジの米領事館襲撃事件での発言で共和党から厳しく批判された。また16年の大統領選ではトランプ陣営幹部の身元を照会する不適切な行為があったとの根拠のない陰謀論の標的にもなった。下院情報特別委員会の共和党トップは、ライス氏に不適切な行為はなかったとの認識を示している。
ライス氏は豊富な経験に加えてバイデン氏夫妻と親しい関係にあり、難しい政治的課題のかじ取りを担う何らかの役割が与えられると予想されていた。
スタンフォード大学やオックスフォード大学で学び頭脳明晰(めいせき)との評判のライス氏だが、無愛想との批判や国家安全保障会議の運営で他の機関との連携がうまくとれていなかったとの指摘にもさらされている。