韓国系米国民を暴行、ヘイトクライムで捜査 米ロス
(CNN) 米ロサンゼルス市の「コリアタウン」と呼ばれる地区の中心部で友人と待ち合わせていた韓国系米国人の青年(27)が突如、2人組の男に人種差別的な悪態を浴びて暴行を受け、負傷する事件がこのほど起きた。
被害者がCNNに明らかにした。ロサンゼルス市警も報道発表文でこの事件の発生を確認、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の可能性があるとして調べているとした。ただ、被害者の氏名には触れなかった。
事件は今月16日に発生。被害者によると、顔面などに殴りかかってきた襲撃犯は「中国人のウイルスを持っている。中国に帰れ」などの暴言も吐いたという。
待ち合わせ相手の友人が犯行の場面を目撃して現場に着いた際、容疑者は逃げていた。被害者は友人が命を救ってくれたと感謝した。
市警によると、襲撃犯はヒスパニック系の男2人で年齢は30代。まだ、見つかっていない。
被害者は容疑者による殺害の脅迫もあり、警察へ事件を即座には届けなかった。ただ、アジア系住民へのヘイトクライム阻止を目指す集会で出会った女性の励ましもあり、数日後に報告していた。
米カリフォルニア州などでは新型コロナウイルス禍の深刻化と共に、アジア系住民を狙った犯罪が急増しているとされる。憎悪が絡む行動に反対する団体によると、アジア系に反発する犯罪などは2019年に4件だったが20年には3000余件に激増したと報告。トランプ前政権が新型コロナを「武漢ウイルス」や「中国ウイルス」などと形容したことが呼び水になったともみている。