米政府、外国からのワクチン融通要請拒む 自国民優先
(CNN) サキ米大統領報道官は12日、世界の多くの国から新型コロナウイルスのワクチン供与に関する要請が米国に届いているが一切応じていないことを明らかにした。
米食品医薬品局(FDA)が緊急使用をまだ承認していない英アストラゼネカ社製のワクチンを、米国が数千万回分確保している理由を問う質問に答えた。バイデン米大統領が他国へのワクチン供給より、米国民へのワクチン接種を現在の最優先課題としている方針に言及した。
同社製のワクチンについては多数の国が使用を許可。ただ、欧州中心に十分な量の調達に手間取っており、供給能力への懸念も生じている。一方で米国はFDAによる使用承認の審査が続くなか、大量の在庫を既に抱えている。
サキ報道官は米国民へ投与するワクチンの量を確保したいとの狙いがあると説明。米国内では依然、毎日1400人が亡くなっているとの現状にも触れた。他国へワクチンを差し向けないのは「我々の集中すべきかつ優先順位の問題」と強調した。
他国へのワクチン供給でバイデン氏は倫理的な義務感を覚えないのかとの質問には、「大統領の目下の関心は米国の危機の封じ込めにある」と応じた。
米国の指導者としてワクチン確保で最大限の融通性を望んでいる一方で、国際社会との協力を求める意図を示しているとも述べた。