米、スーダンから和解金370億円を受領 テロ被害者への補償に
ワシントン(CNN) 米国のブリンケン国務長官は3月31日、同国がアフリカ北東部のスーダンから3億3500万ドル(約370億円)の和解金を受け取ったと明らかにした。スーダン国内などでテロ攻撃の犠牲になった米国家機関職員の遺族らに支払われる予定だという。
当該のテロ攻撃は、1998年にタンザニアとケニアの米大使館で起きた爆破、2000年に発生した米海軍の駆逐艦「コール」への襲撃、そしてスーダン・ハルツーム市内での米国際開発局(USAID)職員の殺害だ。
ブリンケン長官は「こうした犠牲者のための補償を獲得することは国務省の最優先事項だった。この補償を一助とし、遺族の方々が起きてしまった悲劇に対してなにがしかの決着を見出してくれるのを望む」と述べた。
巨額の和解金が主因となり、米国はスーダンに対するテロ支援国家リスト指定を解除した。長年続いたこの指定に基づき、スーダンは武器禁輸や米国による援助活動の制限といった一連の規制の対象となってきた。
トランプ前政権は昨年、和解金が第三者預託口座に振り込まれた後で指定を解除していた。振り込みが行われた20年10月、スーダンはイスラエルとの国交正常化合意も発表していた。
和解金は、スーダンの主権免除(米国の法廷で訴えられないようにするための保護)が回復するまで上記の口座に保有されていた。国務省の報道官がCNNに明らかにしたところによると、第三者預託から外れたのは先月11日だという。
ブリンケン氏は、スーダンによる過去2年間の前向きな取り組みに感謝の意を表明。米国と連携して、長期にわたった補償問題を解決に導いてくれたとの見解を示した。
そのうえで、困難な手続きをともに乗り越えた両国の関係は、今後新たな段階に入っていけると語った。