国境で発見の移民少年、母親と拘束後にいったん強制送還されていた 米
(CNN) 米テキサス州のメキシコ国境付近で今月初め、泣きながら歩く少年が見つかった。少年はニカラグアからの移民で、先月母親と越境して拘束され、いったん強制送還されていたことが、米当局者の話で明らかになった。
税関・国境警備局(CBP)当局者が匿名でCNNに語ったところによると、ウィルトン・グティエレス君(10)は先月8日、メキシコ国境沿いで母親(30)とともに拘束され、新型コロナウイルス感染の拡大防止を理由にメキシコへ追放された。
1日に国境沿いで1人歩いているところを地元農民が発見し、当局に通報した。グティエレス君はCBPの施設に収容され、法定の3日間を超えて1週間が経過した後、保険福祉省(HHS)の施設へ移された。現在の状況は公表されていない。
グティエレス君がいったん母親とともに追放されていたことを、当局者が認めたのは初めて。フロリダ州マイアミに住むおじは先週、母子が難民申請したものの拒否されたと話していた。
感染対策としての送還措置はトランプ前政権が導入し、バイデン政権にもほぼ引き継がれている。ただし同伴者のいない子どもは送還の対象外とされ、申請手続きを始めることができる。このため、家族が自ら離散して、子どもだけを越境させるケースが後を絶たない。
グティエレス君のケースはこれに該当しない可能性があるものの、入国者の送還をめぐる米当局の方針が子どもを危険にさらしている状況が、改めて浮き彫りになった。
グティエレス君の父親(35)はニカラグアで見つかっている。父親が警察に語ったところによると、母親は米国に住む兄弟2人から資金援助を得て、2月にグティエレス君を連れて米国境まで移動していたという。