米アリゾナ州の再集計監査、投票データ失われず 監査人が認める

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アリゾナ州フェニックスで行われている大統領選の再集計監査の様子/Matt York/AP

アリゾナ州フェニックスで行われている大統領選の再集計監査の様子/Matt York/AP

(CNN) 米アリゾナ州で行われている昨年の大統領選挙の再集計監査をめぐり、州上院の委託を受けた監査人らは20日までに、同州マリコパ郡のサーバーから主要な投票のデータベースが削除されたとする見方を撤回した。監査を監督する上院の共和党議員が開いた公聴会でデータが失われていないことを認め、正しい方法で確認できていなかったと説明した。

監査は上院議長を務める共和党のカレン・ファン氏が求めたもので、「サイバー・ニンジャ」と呼ばれる企業が作業を統括している。

ファン氏は先週、州内で最も人口の多いマリコパ郡の郡管理委員会に書簡を送り、昨年の選挙にかかわるすべてのデータを集めた主要なデータベースが削除されているとし、委員会に説明を求めていた。

監査に関するツイッターのアカウントでは、選挙に使用した機器を監査人に引き渡す数日前に郡がデータベースのディレクトリーを削除したと主張。証拠の隠滅を図ったとの見方を示した。

トランプ前大統領はこの訴えに同調し、先週末に声明を発表した。その中でマリコパ郡のすべてのデータベースが削除されたと強調し、「これは違法だ。再集計監査を率いるアリゾナ州の上院は憤慨している」と語った。

しかし18日に郡当局者が説明を行ったところ、監査人は担当者が技術的なミスを犯していたとし、データベースは失われていないと認めた。

郡管理委員会は、監査人側がハードディスク(HDD)をコピーする際に記憶装置の復元を適切に行わなかったなどのミスを複数犯したと指摘。これらのミスがなければファイルにはアクセスできていたと述べた。

監査に携わる企業の一つを創業したベン・コットン氏は公聴会で、委員会側の説明が正しいと発言。最終的にすべてのファイルを復元したうえで、現在はデータにアクセスできる状態になっていることを明らかにした。

当初アクセスが不可能だった理由については、多数ある記憶装置の復元方法のうち、マリコパ郡がどの方法を使用しているのかわからなかったためすべてのデータにアクセスすることができなかったと述べた。

コットン氏は、監査人側の過失やファイルが削除されたという見方が虚偽であるとは直接は認めなかった。それでも同氏の説明から、データベースが削除されたわけではないことは明確になった。

ファイルを見つけたとコットン氏が発言したのを受け、マリコパ郡管理委員会はツイッターで、削除されたとの主張を展開した共和党議員らを批判した。同委員会はメンバー5人のうち4人を共和党が占めるため、現状は同党の党内対立の様相を呈している。

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