バイデン氏がG7に参加、コロナ対策で「有事の取り組み」訴え
イングランド・ファルマス(CNN) 英南西部コーンウォールの海岸地帯で11日、主要7カ国首脳会議(G7サミット)が正式に始まり、各国首脳が一堂に会した。初参加となったバイデン米大統領は、米国の伝統的な同盟関係の再構築を目指して現地入りした。
現在は世界の大半の地域で新型コロナウイルスが猛威をふるい、世界経済の動揺も収まらず、中国やロシアからの脅威は増している。こうした中で始まったG7サミットは近年で最も重要なものになりそうだ。参加国は新型コロナウイルスワクチン10億回分の寄付を約束する見通しで、うち約半数を米国が提供する。
バイデン氏は現在を、第2次世界大戦中や戦後に比肩する重要な時期と位置付ける。戦中から戦後にかけての時期には、米英やその同盟国が協力して世界の復興を支援した。11日夜の歓迎会には、先の大戦で軍のメカニックを務めた英エリザベス女王も出席する。
バイデン氏はこの日、まず各国首脳との記念撮影に臨んだ。以前から世界の指導者の輪に加わることを望んでいたバイデン氏にとって象徴的な瞬間となった。
撮影会場まで歩く途中では、フランスのマクロン大統領やカナダのトルドー首相と談笑する場面も見られた。撮影後に屋内に戻る際、バイデン氏はマクロン氏と腕を組んで歩いていた。
トランプ前大統領のもとで同盟にひびが入った4年間を経て、バイデン氏は今回、結束を促すメッセージを伝えようとした。
ドイツのメルケル首相は、バイデン氏をサミットに迎えることができ「非常に嬉しい」と発言。G7サミットは多国間主義を支持する「強力」なメッセージを送るだろうと述べた。
ただ、メルケル氏のような欧州の指導者が従来型の米大統領の登場に安堵(あんど)のため息をつく一方で、首脳間には依然として相違点が残る。独裁に対抗して民主主義を推進するバイデン氏のメッセージがどれだけ持続するかについては、懐疑的な見方も多い。