アニメ再現の家、「迷惑行為」の訴訟で和解 米サンフランシスコ郊外
(CNN) 1960年代の米テレビアニメ「原始家族フリントストーン」をテーマにした家に恐竜の像などが増設された工事を、地元当局が条例違反の「迷惑行為」に当たると主張した訴訟で、和解が成立していたことが分かった。
米カリフォルニア州サンフランシスコ郊外のヒルズボロー市が2019年、家を所有する中国系の実業家、フローレンス・ファン氏を提訴していた。
「フリントストーン・ハウス」と呼ばれるこの家は、もともと1970年代に建てられた。ファン氏が2017年に購入し、大きな金属製の恐竜や登場人物の像を増設した。市当局は、無断で景観を変えるのは条例に違反するとして工事の中止を命じたが、同氏は従わなかった。
ファン氏は市当局に対抗し、自分が中国出身だという理由で差別を受けたとする訴えを起こした。
和解合意では、同氏が改めて工事の許可を申請し、市側はこれを認めることが決まった。市当局がファン氏に12万5000ドル(約1380万円)を支払い、同氏は差別の訴えを取り下げる。
和解は4月に成立したが、双方の取り決めによりメディアには発表されていなかった。
この家は幹線道路からもよく見える場所にあり、国内外から注目を集めてきた。同氏の孫にあたるショーン・ファン氏は19年の声明で、「祖母はこの家を守るために戦う」「恐竜たちを見ればだれもが笑顔になる。存続させるべきだ」と主張していた。