食料不安の子どもが増加、コロナ禍の米国
(CNN) 新型コロナウイルスの流行により経済が打撃を受けた2020年に米国で食料不安の子どもが増加したことがわかった。米農務省が8日、報告書を発表した。
報告書によれば、子どもを持つ家庭の約7.6%が昨年、時々、適切で栄養のある食べ物を子どもに与えることができなかった。これは約300万世帯に上る。19年は同6.5%だった。
食べ物のためのお金が十分にないため、空腹だったり、食事を抜いたり、一日中食べなかったりするような食料安保が非常に低い状況にある子どもの数も増加した。これは、子どもを持つ家庭の約0.8%(32万2000世帯)に相当する。19年は同0.6%だった。
子どもを持つ家庭では、家族全体でみても食料不安の割合が上昇した。20年にそうした状況に陥った家庭は約14.8%(560万世帯)。19年は同13.6%だった。
全体的にみれば、食料不安に見舞われている家庭の割合は10.5%と前年と同水準だった。
新型コロナウイルスの流行によって、連邦政府による食料支援や慈善団体による援助が大きく増えた。議会は「フードスタンプ」とも呼ばれる食料購入費を補助する制度などを拡充し、数百万人の米国人が食料配給所を訪れた。
農務省の報告書では支援の増加が食料不安にどのような影響を与えたのかについての分析はないが、支援者は食料支援が空腹を食い止めることの役に立っていると指摘する。